ツーバイフォー(2×4)と在来工法はどちらが良い?メリット・デメリットは?

不動産

地方の工務店のほとんど在来工法を得意としています。従いまして日本の建物のおよそ7~8割は在来工法で建てられています。
在来工法がかなりの部分を占める中、ツーバイフォー住宅を選ばれる方もいらっしゃいます。
果たしてツーバイフォー住宅と在来工法とどちらがよいのでしょうか。
そのあたりをメリットデメリットも含めて検討してみたいと思います。

ツーバイフォー(2×4)とは

ツーバイフォー工法は「2インチx4インチ」の部材を使って木枠を作り、その枠に構造用合板を貼って壁面、床、天井を作ります。

ツーバイフォー材
「2インチx4インチ」のSPF材。
SPF材とは、北米産の針葉樹であるスプルース(Spruce・トウヒ)、パイン(Pine・松)、ファー(Fir・もみの木)のこと。
5cmX10cmのSPF材(ホワイトウッド・白っぽい木材・スプルース・パイン・ファー(トウヒ、松、もみの木))
加工しやすい反面、湿気や結露に弱いという特徴がある
構造用合板

構造用合板とはベニアのような物ですが、ベニアそのものではなく、もっと強度のある合板です。
寸法は9.0mm x 908mm x 2630mmと決まっています。
そのほか、接着の強度、等級、板面の品質、ホルムアルデヒド放散量が規格化されています。

寸法は9.0mm x 908mm x 2630mm
接着の強度、等級、板面の品質、ホルムアルデヒド放散量を規格化

構成の部材が規格化されているため安くなります。

この2つの部材で面(壁面、床、天井)を作ります。ツーバイフォーで作った枠に合板をサンドイッチします。

ツーバイフォーと合板で作った面(壁面、床、天井)を合わせて立体にします。

ダンボールのようなものを想像していただけると良いと思います。
ツーバイフォー材と構造用合板とで作った面を上下左右、6面組み合わせて、サイコロのようなものを作ります。
そうした工法です。

メリット

非常に簡単に作れるのがイメージできると思います。

その通りでしょう。

ところで、面(壁面、床、天井)を作るのに、現場で木枠と合板を組み合わせて作るわけではありません。

工場の屋内でそうした面となる部材を作ります。
ある程度工場内で作ったものを現場に持って行き、ある意味プラモデルのように現場で接合して一気に完成させます。

こういった工法のため、現場での工事が非常に短くできるのが特徴です。

部材は専用の工場内で作るため屋内の作業となり、分業をして流れ作業で作るため、品質が非常に安定して、安く作ることができます。

段ボール箱も素材の割には頑丈だと思いますがツーバイフォー工法も非常に頑丈に作ることができます。
地震や台風による強風などにも強いのが特徴です。
火事にも強いと言われています。

 

ツーバイフォー住宅のメリット
品質が安定
台風に強い
地震に強い
火事に強い

デメリット

ツーバイフォー住宅は多くの利点があるものの欠点も指摘されています。

夏に向かない

日本の家屋は暑い夏を前提として作られているため開口部が大きく夏には風が吹き抜けるように作られています。

ツーバイフォー住宅は、もともとアメリカで発達した工法で日本の雨が多い高温多湿な気候には合わないのではないかとも言われています。
また、ツーバイフォー住宅は壁のパネルで家を支えるために、窓を小さくしなくてはならず和風に向かないとも言われたりします。窓が小さいと通気性が悪く、かびたり、腐ったりする懸念があります。

結露が心配

冬は高気密であるために逆に結露の心配があります。外壁と室内空間の間に水がたまりカビたり腐ったりしないかという心配があります。

日本らしくない

日本では家は柱で作るという先入観があり、細い木とベニヤ板を合わせただけの住宅は好まれないようです。
全体的に日本の在来工法とはかなり違った家になるため違和感を持つ人もいるようです。

間取りに制約

日本人は伝統的に大空間が好みなので在来工法のようなお客が開けるような大空間の畳の間も作りにくいと言われています。(地方ではこうした要望は強かったりします。)

工場で規格生産しているため、自由な間取りもできません。(規格内である程度の融通は利きます。)

改築・リノベーションが困難

一度作ってしまうと間取り変更が出来ない為、次の世代が使おうとするときに使いづらいともいわれています。

改築には向いておらず修繕にはお金がかかります。

夏に向かない
結露が心配
日本らしくない
間取りに制約
改築・リノベーションが困難

 

メリット・デメリットまとめ
地震に強く個性がない代わりに品質が一定している
価格は比較的安く耐用年数が長い
改築には向いておらず修繕にはお金がかかります
自由な間取り間取りができません

 

在来工法

次に比較される在来工法について見て行きます。

在来工法は木造軸組工法とも呼ばれます。

日本の風土にあっている建築方法

日本の風土にあっていると言われる建築方法です。

梁と柱で建物を支え基礎にはコンクリートを引きます

柱と梁で骨組みを作り屋根を貼った後に壁を取り付けて建築して行きます。

屋根が先にできるので構造の内部を雨から守りながら建築して行くことができます。

耐震性

従来は在来工法は耐震性に問題があるということが指摘されてきました。

近年では耐震性についてよく考慮されるようになり柱の部分は補強をして耐力壁を用いるようになっています。

柱と梁で作られた枠の中に筋違いと呼ばれる木材を斜めに入れて補強するようになってきています。

または構造用合板を用いて補強するようになってきています。

自由な設計

柱と梁が基本構造なので自由に設計できます。

大きな開口部が取れるのが特徴です。

開口部を大きくすることによって光を大きく取り入れることができ、眺めが良く通気性も良くなります。

通気性が良くなるため湿気が溜まりにくくカビの繁殖を抑えることができます。

このような感じで日本に非常に向いている方法だと言われています。

 

そのほかにも

リノベーションが容易である。

増改築が容易である。

などの在来工法ならではのメリットがあります。

 

また在来工法は施工業者が多いため、在来工法に慣れている熟練工も多い。そのため対応する業者を見つけるのが容易だと言われています。

ちょっとした増改築にも容易に対応してくれます。

 

ツーバイフォーか?在来工法か?

以上見てきましたようにツーバイフォー、在来工法、双方にメリットデメリットが存在します。

割と合理的で安くてその割に品質が良いのが好みという方にはツーバイフォーが向いているのではないでしょうか。

決まった土地があり、その土地に愛着を持っていて建物にもこだわるような方には、在来工法が向いているのではないでしょうか。

ツーバイフォーは究極の規格住宅とも言え、あまり個性がない代わりに、品質の良いものが安く手に入る大衆車のような存在ではないでしょうか。

個性にはあまりこだわらない代わりに地震や台風などには強く品質も良いものが手に入る。

そのような住宅ではないかと思います。

逆に家に個性が欲しいという方にはカスタムカーのような在来工法が向いていると思われます。

ツーバイフォーは、あまり間取りに融通が利かない代わりに、

天井を高くする

蔵のある部屋などのように収納にこだわる

そのようなツーバイフォーならではの特徴の出し方というものがあるようです。

そうした方向でツーバイフォーのプランを練ればトータルとして満足のいく結果になるのではないでしょうか。

補足
ツーバイフォーのまとめ
ツーバイフォーは枠組壁工法ともいわれる。
壁で建物を支える凹凸の少ないすっきりした空間
雨の少ない北アメリカで生まれた
専門技術を持たない職人でも建てることができるシンプルな工法
規格化されているので工期が短い
接合部は釘と金具で固定
開口部は強度が落ちてはいけないので一定以上の大きさは作れない
規格化されているので大規模なリノベーションには向かない
リフォームすることにも制限がある
ハウスメーカーが主体のため対応できる中小工務店が少ない
作業工程がマニュアル化されているので施工が安定している
在来工法のデメリット
工期が比較的長い
費用が割高になる
品質に違いがある

余談

ところで、ツーバイフォー住宅は「工場内で部材を作るため安く作れる」という話ですが、「あまり安くないぞ」とおっしゃる方も多いのではないかと思われます。
要はそこのところはメーカーの利益ということでしょう。
ツーバイフォーの住宅はかつては非常に儲かったということです。
たっぷりの利益を広告や営業活動に回せる。そういうことだと思います。
コストカットした部分が企業努力による利益だということなのでしょう。
現在どれぐらい儲かるかは残念ながらわかりません。

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